小さなミスを伝えただけでもすぐ言い訳をされる。
指導や改善策を伝えようとしても先に言い訳をされてしまう。
周りに迷惑をかけているのに謝りもせず反省しているように思えない。
そして、なかなか同じようなミスがなおらない・・・。
こんなことで困っていませんか?
どうにか改善して成長して欲しいと願っていても、
何度も何度も繰り返し、どう伝えたていけば良いのかわからなくなり、
周囲からの不満も増えて、共に働くスタッフのやる気も低下してきた。
ミスは誰にでもあるもの。
次からに活かして欲しいだけなのに・・・
こんにちは。
女性が楽しく自分らしく幸せに働く職場をサポートする
自己表現トレーニングシニアコーチの高橋千晴です。
このような部下の指導でお悩みの、管理職や指導者の声はよく聞きます。
注意指導する上司も、それを受ける部下も、
きっとどちらも気持ちの良い状態ではないですよね。
いつも言い訳をされると、
だんだんうんざりもしてきます。
それでもそのミスが改善されていれば良いのですが、
なかなか改善もされないとなると周りもうんざりして、
あの人はやる気がないのでは、
人に迷惑をかけていることがわからないのか、
と批判する人も出てくることもありますよね。
私も同じような経験をしたこともあります。
チームや組織全体を見ながら、
個々と向き合い成長を促し見守っていくには、
様々な視点が必要です。
今回は、すぐに言い訳ばかりが出てしまう部下への育成指導と、
その対処方法について、お伝えしたいと思います。
またそれぞれのセクションごとに質問(問い)をいれています。
ぜひ答えながらお読みくださいね。
Contents
能動的な部下へと成長を促す3つの基礎
1.部下の心理を理解する
2.まずは全て肯定的に聴く
3.WhyではなくHowで質問をする
言い訳は度合いは違えど、つい出てしまうことがありますよね。
これまでの関わりや経験により反射的な反応があります。
だからこそ、お互いに基礎が築けるよう、続けていって欲しいと思います。
部下から言い訳でなく、自然と改善策が出てくるよになっていきます。
1.部下の心理を理解する
なぜ言い訳をしてしまうのか・・・
言い訳をしてしまう人の心理は、様々な要因が複合されていますが、
人は辛い時や嫌な気持ちになると、無意識的に防衛反応がでます。
・正当な理由があったのだから私は悪くない
・意識していたからこそ言われたくない。
・早く終わらせたい。
・評価や信用を下げられたくない
・自分が劣っていると思われたくない、
負けている、劣っていると認めたくない。
これら自尊心や自己肯定感を守りたいが為に、言い訳が出てきてしまいます。
本当は改善方法があった事は、心の奥で気づいています。
ですが、これまでの経験でそれが習慣化されてしまい、
自分でもわかっているのに、指摘された瞬間に言い訳が出てしまい後悔をし、
結局、自己肯定感が下がっていくことを繰り返してしまいます。
本当は部下も言い訳もせずミスを無くして貢献したいでしょうし、
認められたいと思っています。
言い訳をしてしまう部下も困っているんですよね。
そんな部下の心理を理解することが大切です。
言い訳はしたくない
取り組んだことを理解して欲しい
役に立ちたい
認めて欲しい
その心理を理解できれば
日常の中で時折、現状でも役に立っていることや、
他の人にはない得意や特性を感謝と共に伝えたり、
可能性を持っているからこそ未来の期待を伝えるなど、
部下自身が自分の存在価値を知り、前向きに仕事に取り組めるよう、
協働意欲を促していくことも大事です。
~問い~
「部下へ労いや感謝の言葉をいつどのように伝えていますか?」
2.まずは全てを肯定的に聴く
先にお伝えした心理を理解しておくことが大切です。
「ミスをしたくてやったのではない」
「私は一生懸命やっている」
「私を認めて欲しい」
ミスをした相手は、心の奥底でそう叫んでいるのです。
指導する側に、叱るつもりも怒ったりも、
ましてや攻撃するつもりもなかったとしても、
その心理を受け止めることが重要です。
受け止めるとは、途中で相手の言葉さえぎりません。
当然ながら、怒鳴ったり大声を上げたりするのは論外です。
繰り返す言い訳癖にうんざりしていたとしても、
一度部下の言い訳を、全て肯定的に聞いてみましょう。
「うんうん」
「なるほど~」
「そうだったんだ~」
という具合にです。
言い分、言い訳を受け入れられなくても、
受け止めることはできるはずです。
人はまず、自分の言い分を聞いてもらえたと認識してはじめて、
相手の話を聞ける状態になります。
ましてや、自分の自尊心を傷つけられると無意識ででも思っていたら、
尚更重要で時間がかかるかもしれません。
話を途中でさえぎったり、
矢継ぎ早に注意をしているのであれば、
上司や指導者の方が心に余裕もなく、
怒りや自分の言うことを聞かせたい心理でいっぱいになっているのかもしれません。
まずは相手の話を受け止める。
そこからがスタートです。
~問い~
「自分が部下だったら、どのように聴いてもらいたいですか?」
3.「Why」ではなく「How」で質問する
実は上司や指導者が知らず知らず、
部下に言い訳をさせていることが多々あります。
上司「なぜ〇〇したんだ!△△と言ったでしょ!」
部下「いや、それは××で・・」
上司「言い訳するな!」
こんなやり取りは容易に想像できますよね。
でもこの言い訳には、部下には全く責任はありません。
「言い訳するな!」と言う方、思う方が間違いです。
言い訳するように促してしまっています。
「なぜ?」と聞けば、必ず言い訳が返ってきます。
これは大人も子どもも、みんなそう返してしまう質問のシステムです。
もちろんビジネスでは「なぜ(Why)」はとても重要です。
でも、質問は使い方を間違えると、良い答えは返ってきません。
原因を知ることは大切なのですが、
緊迫した状態、自己防衛が働いている状態で聞いても、
表面的な外的要因、いわゆる言い訳しか返ってきません。
「なぜ?」「どうして?」と過去の原因(言い訳)を聞くのではなく、
「どのようにすれば良かったと思う?」と、
未来にフォーカスした質問を投げかけると、
改善策やアイデアを自然と考えだします。
すると言い訳を生み出さず、今後の対策を出せるのです。
改善策と原因は常に対としてあるのですから、
言い訳(原因)を引き出さずに、改善策を引き出せばいいのです。
そして自分が発した言葉は、人から言われる言葉より、
実行する力が増します。
何より上司から言われれば指示命令となってしまいますが、
改善策を尋ねられるということは、
自分にすでに解決できる能力があると思ってもらえていると感じるでしょう。
もし出てきた策が、最もベストな策でなかったとしても、
容認できる範囲であればまずそれを「良い案ですね」と後押しし取り組んでもらい、
その取り組み姿勢や結果を褒める、もしくくはさらに改善していく。
もちろん具体策になるようにサポートすることも時に重要でしょうし、
定められた手順やルールが抜け落ちているのであれば、
そこに気づけるように促す必要もあります。
しかし、上司や指導者が常に固定した正解で、
部下の発言を正解不正解で判断していたとすれば尋問となり、
答えたくなくなり、言い訳を生み出すでしょう。
言い訳は、言い訳する側だけに問題があるのではなく、
上司や指導者の言葉や問いかけにも原因があるのです。
「なんで?」と過去の原因からの反省を促すのではなく、
「どのように?」と未来と可能性へフォーカスしてみましょう。
少しづつでも改善しながら、
自ら考え行動に移せる、能動力も養っていくことができると思います。
~問い~
「本当の目的は何ですか?」
まとめ
言い訳をしてしまう心理は少なからず誰でも理解できるのではないでしょうか。
一度習慣づいた反応や、心の奥にある心理を変えるのは、すぐにはできません。
まず部下の言い分を肯定的に受け止めることで安心感を与えること、
改善策を導く質問をすることで考えてもらうことで、
徐々に言い訳をする防衛から、次に活かす戦略へと変化してもらえると嬉しいですよね。
そもそも指導とは、進むべき方向を自らが示し、そこへ導くことです。
強制でも矯正でもありません。
日々忙しいでしょうから、
そんな時間ない!と思われるかもしれません。
それって部下からすると言い訳かもしれません。
まずは少しでも心がけましょう。
ひとつでもやってみましょう。
そしてあきらめずに続けましょう。
こちらがそこにコミットしてない限り、
相手も変わりません。
反省ではなく改善や成長を求める組織、
そして詫びるより感謝しあえる関係性ができている職場になれば、
言い訳もでなくなるはずです。
いかがでしたでしょうか。
少しでも何かヒントになっていれば幸いです。
そしてあなたが、あなたらしく楽しくイキイキと働き、
楽しく自分らしく幸せに働ける職場になるよう応援しています。
~問い~
「これから何に取り組んでみますか?」
執筆者-高橋 千晴/TAKAHASHI CHIHARU
プロフィール
ブログ
仕事も人生も自分らしく楽しく幸せに!愛と夢の魔法使いちはるん
高橋千晴:お問合せ
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